副業月収 ¥250,000 = 実時給 ¥3,500(4 層差し引き後)
副業者がパーティで互いに言う数字は売上。手取りは表計算ソフトに表示される数字。両者が近いことはまずない。
代表的なサービス系副業 (フリーデザイン、家庭教師、コンサル — 一つ選んで) を月売上 ¥250,000 で 4 層差し引きを通した。
第 1 層:直接経費
売上を生むために必要な経費。月 ¥250,000 のサービス系副業:
| 経費カテゴリ | 月額 |
|---|---|
| ソフトウェア、ツール、サブスク | ¥10,000 |
| プラットフォーム手数料 (ココナラ、ランサーズ — 該当時、5-20%) | ¥30,000 |
| 決済手数料 (Stripe ~3.6%、PayPal ~3.9%) | ¥7,500 |
| 広告、コンテンツツール | ¥12,000 |
| 専門研鑽 / 書籍 | ¥7,500 |
| 小計 | ¥67,000 |
直接経費後の純収入:¥183,000/月。
サービス系副業で最大費目はプラットフォーム手数料。直接契約・リピート顧客に移れれば 5-20% を即回収できる。
第 2 層:国民健康保険・国民年金 (本業の社保と分かれる場合)
会社員で本業から社保加入済みなら、副業所得分の追加負担は健康保険のみ (年収階級アップで増額)。専業や本業も自営なら国民健保 + 国民年金フル負担。
会社員で副業の場合:
¥183,000 × 約 5% (健保上乗せ + 介護保険) = ¥9,150/月
差し引き後:¥173,850/月。
副業者の多くがこの層を見落とす。年末調整では拾われず、確定申告と翌年の住民税通知で気付く。
第 3 層:所得税・住民税
本業合算で限界税率課税。本業年収 600 万円 (税率 20%) + 住民税 10% の人:
¥173,850 × 30% = ¥52,155/月
差し引き後:¥121,695/月。
平均税率より限界税率が大事。副業所得は本業給与の上に積み上がるので、現在の最高ブラケットで課税される。本業 600 万 + 副業 220 万なら一部所得が 23% 帯に押し上げられる可能性。
第 4 層:総時間 (非請求時間込み)
直接クライアント業務時間は明らか。サポート時間も実労働だが請求できない:
| 活動 | 月時間 |
|---|---|
| 直接クライアント業務 | 20 |
| 顧客対応・提案書 | 5 |
| 事務、請求書発行、契約 | 3 |
| 営業、SNS | 4 |
| 学習、スキル維持 | 3 |
| 合計 | 35 時間 |
クライアントが見る時給 (売上 ÷ 直接時間) = ¥250,000 ÷ 20 = ¥12,500/時。
実時給 (手取り ÷ 総時間) = ¥121,695 ÷ 35 = ¥3,477/時。
クライアントが払う時給と副業者が実際稼ぐ時給に 3.6 倍の差。多くの副業が「話す時」より「表計算時」のほうがしょぼく見えるのはこのギャップ。
代替手段は何を払うか
正直な比較は「儲かったか?」ではなく「同じ時間別のことしたら、もっと稼いだか?」
| 35 時間/月の代替用途 | 月価値 |
|---|---|
| 副業 (実) | ¥121,695 |
| 本業残業 (¥3,200/時 × 1.25 残業手当) | ¥140,000 |
| 昇進 / 認定資格にスキル投資 | 今は 0;12-18 ヶ月後に月 ¥30,000-¥80,000 の永続昇給 |
| 睡眠、運動、回復 | 数値化困難;実在 |
日本の本業労働者の ~60% にとって、純時給比較で副業は負ける。残り 40% は特殊条件 (低基本給、残業不可、副業に成長軌道、副業がキャリアスキルを蓄積) があって計算がひっくり返る。
数学が「続行」を支持する場合
3 つの妥当なシグナル:
- 売上軌道。 月 ¥250,000 で月 15% 成長中の副業は 12 ヶ月後別物になる。現在の時給はオプション価値を過小評価。
- スキル複利。 副業で身につくものを本業が使う。学費価値 + 現金収入 = 1 時間あたり総リターンで本業代替を凌駕することも。
- 規模化での粗利改善。 最初の 10 顧客は高コスト (獲得、学習曲線)。50 番目は半額で済むかも。規模化後の有効時給が問題で、1 ヶ月目ではない。
やめるべき時
副業が「売上横ばい・粗利横ばい・スキル複利なし・本業残業時給より低い」なら、やめるのは「修正」であって「失敗」ではない。
起動コストの罠:起動に ¥250,000 かかった (機材、講座、ウェブ)。月手取り ¥80,000 で損益分岐は 2 ヶ月目。6 ヶ月目に成長ゼロでやめれば、累計 ~210 時間で純 ¥230,000。実時給 ¥1,100。
現実的撤退シグナル:6-12 ヶ月で売上横ばい、規模化への明確な道筋なし、実時給が時間の代替用途を下回る。やめて時間を再配分。
このフレームワークが当てはまらない場合
- 資産構築型副業。 デジタル製品、コンテンツライブラリ、オーディエンス構築。先払いの時間が数年後にリターン。時給フレームは過小評価。別の評価が必要。
- ライフスタイル型副業。 写真、コーチング、クリエイティブ — 活動自体に金銭以外の価値あり。機会費用フレームは不完全;ライフスタイルプレミアムを正直に含める。
- 税務優遇副業。 ホームオフィス、車両、機材を合法に経費化できる場合 (もともと持っていたものでも)。実際の税後計算は 4 層差し引きより良い。
- 地理アービトラージ。 低生活費県の副業は損益分岐計算が違う。
実際にやること
- 4 層を実数で計算。社保・住民税・非請求時間をスキップしない。
- 実時給を本業残業時給 (あれば) または学習時間価値と比較。
- 6 ヶ月軌道が横ばい:停止または方針転換。
- 軌道がプラスで傾きが意味あり:継続。初期は実態より悪く見える。
日本特有の状況
- 20 万円ルール: 給与所得者で副業所得が年 20 万円以下なら所得税確定申告不要 (住民税は別途申告必要)。年間 ¥200,000 を超えそうなら確定申告必須。
- 雑所得 vs 事業所得: 副業の規模・継続性により分類。事業所得認定なら青色申告 65 万円控除が使えるが、税務署の判断は売上 300 万円超 + 帳簿が目安。雑所得は控除なし、損益通算もできない。
- 会社の副業規定: 多くの日系大企業は副業を就業規則で禁止 / 申請制。バレるルートは住民税の通知 (副業分が会社に行く)。「住民税普通徴収」を確定申告で選択すれば回避可能だが、発覚時のリスクは個別判断。
- インボイス制度の影響: 2023 年 10 月以降、免税事業者からの取引で買い手が仕入税額控除できないため、法人クライアントから「課税転換しないと取引縮小」のプレッシャー。年売上 1,000 万円未満でも要検討。
副業収入計算機を開く → 4 層全部を回せ。出力は実時給 — 代替手段と直接比較できる唯一の数字。