繰り上げ返済と投資、余裕資金はどちらに回すべきか

答えを決める1つの数字

毎月3万円の余裕資金があります。最低返済額と生活費を支払った後に残るお金です。これをローンの繰り上げ返済に回すべきか、投資に回すべきか?

核心の計算は1つの比較に帰結します。ローンの金利 vs 期待投資リターンです。

ローンの金利が3%で投資リターンが5%なら、理論上は投資が有利です。ローンの金利が5%で投資リターンが3%なら、繰り上げ返済が明らかに正解です。

シンプルですよね?ほぼ正しいですが、判断を左右する重要な違いがあります。

繰り上げ返済の「確実なリターン」

金利3%のローンを繰り上げ返済すれば、確実に3%のリターンが得られます。市場の暴落もなく、悪い年もなく、ボラティリティもありません。余分に返済した1円1円が、将来の利息をきっちり3%分節約してくれます。

投資で5%のリターンを得るのは期待値です。ある年は20%、別の年は-10%。20年間の平均なら5%になるかもしれませんが、道のりは荒れており、何も保証されていません。

だから多くのファイナンシャルアドバイザーはこう言います。金利差が2〜3%以内なら、繰り上げ返済を優先すべきだと。確実なリターンは、同じ大きさの不確実なリターンよりも価値があるからです。

繰り上げ返済が有利なケース

  • 高金利の借入(5%以上)。 クレジットカード、カードローン、消費者金融など。15〜20%の確実なリターンに勝てる投資はそうそうありません。
  • 借金がストレスになっている場合。 残高があることでストレスを感じるなら、借金をゼロにする心理的リターンには数字では測れない価値があります。
  • 収入が不安定な場合。 フリーランス、業務委託、歩合制の方。固定支出を減らすことで安全マージンが広がります。

投資が有利なケース

  • 低金利の借入(2%以下)。 金利1%台の住宅ローンなら、投資のほうが数学的に有利です。
  • 企業年金のマッチング拠出がある場合。 会社が掛金を上乗せしてくれるなら、それは即座に50〜100%のリターン。まずマッチングを最大限活用しましょう。
  • 運用期間が長い場合。 投資期間が長いほど、市場の平均リターンが実現する可能性が高まります。
  • 税制優遇がある場合。 iDeCoやNISAなどの非課税枠は、実質的に投資リターンを押し上げ、差を広げます。

ハイブリッドアプローチ

どちらか一方に絞る必要はありません。多くの人は折衷案を取ります。余裕資金の半分を繰り上げ返済に、残り半分を投資に。借金が減る心理的な安心感を得ながら、資産形成も進められます。数学的には最適ではないかもしれませんが、心理的に続けやすい方法です。そして、最良の戦略とは実際に続けられる戦略のことです。

あなたのシナリオで計算してみましょう

ローンの金利、期待リターン、運用期間はあなた固有の数字です。繰り上げ返済計算機に入力して、それぞれの戦略がどう展開するか確認してみてください。

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