月4万円の車ローンは実は月8.5万円(30年で1億円)
「ローン支払い」はあなたが見ている項目。実際の車所有コストは6項目あり、見えるものが最大であることは稀。
300万円の新車を計算機に通した:60回ローン、3%金利、5年所有、日本の平均値。出てきた結果がこれ。
月8.5万円の完全内訳
| 項目 | 5年合計 | 月平均 |
|---|---|---|
| 減価償却(MSRPの60%) | 180万 | 3.0万 |
| ローン金利(3%) | 23万 | 0.4万 |
| 自動車保険(任意+自賠責) | 90万 | 1.5万 |
| ガソリン(年1.5万km、15km/L、170円/L) | 102万 | 1.7万 |
| 整備 + 修理 | 42万 | 0.7万 |
| 車検 + 自動車税 + 駐車場 | 78万 | 1.3万 |
| 合計 | 515万 | 8.6万 |
ローン月額(4.7万)は6項目のうち2項目。残りの4項目——減価償却、保険、燃料、整備——は単一の月次請求書として来ないため予算に現れにくい。それらはこういう形で来る:売却日に一度だけ感じる安い下取り価格、半年に一度の保険会社への振込、隔週6,000円のガソリン代、18ヶ月に一度2万円の予期せぬ修理。
月次総コストは見える支払いの1.8倍。これが多くの購車決断が考慮していない差。
なぜ減価償却が最も痛むのか
減価償却は6項目のうち唯一お金を使っている感覚がない。売却日まで不可視で、ほとんどの人は車を売る頻度が低すぎて点と点をつなげない。
具体例:300万円の新車は5年後に下取りで約120万円。「あなたは減価償却に180万円使った」が頭に入るのは、下取り書類にサインして車の半分が消えたと気づく瞬間だけ。
5年減価償却カーブ、ざっくりこう:
| 年 | 累積減価率 | 残存価値 |
|---|---|---|
| 1 | 20% | 240万 |
| 2 | 32% | 204万 |
| 3 | 43% | 171万 |
| 4 | 52% | 144万 |
| 5 | 60% | 120万 |
1年目が最も急。ディーラーから出る瞬間が車所有人生で最も高い1分間。
同じ金額が複利でいくらになるか
8.5万円/月が車コストではなく、5%実質リターン(TOPIX長期-2%インフレ)の分散インデックスファンドに30年入っていたら:
| 期間 | 終価(実質) |
|---|---|
| 5年(1サイクル) | 580万 |
| 15年(3サイクル) | 2,540万 |
| 30年(6サイクル) | 1億円 |
最後の数字は多くの人が文脈なしで引用する見出し。文脈は:30年間車を所有しないという前提で、これは東京以外のほとんどの日本の生活に非現実的。誠実な枠組みは「車を持たずに億り人になる」ではなく、「月2万円削るごとに30年で約2,500万円」。
月2万円削るのは、300万新車 vs 200万中古、4年落ちの任意保険 vs 新車の任意保険、完済済みフィット vs 新規ローンのテスラの差。
数字を実際に動かす4つのレバー
影響度順:
- 2-3年落ち中古を買う。 最も急な減価償却を他人に肩代わりさせる。300万円相当の車で60-100万円節約。
- 長く乗る(8-10年)。 減価償却は前倒しなので、年間コストは5年目以降急激に下がる。10年所有サイクルの年間コストは5年サイクルの60-65%程度。
- 適切なサイズを買う、憧れではなく。 250万円の車も400万円の車も同じ日常使用テストに合格する。150万円の差は30年で約1,800万円。
- 保険を毎年比較。 同じ補償でも会社間で年3-6万円の差。30分の電話でタダのお金。
このリストにないもの:ハイブリッド/EV vs ガソリン。エネルギーコスト差は本物だがTCOの10-15%、減価償却と保険に圧倒される。排出のために価値あり;財務絵を変えるレバーではない。
このシナリオが捉えていないもの
この計算が単純化している3つ:
- 地域差。 東京23区の駐車場代は地方の3-5倍、保険にも差がある。都心 vs 地方で絵が大きく変わる。
- 買い替え頻度の前提。 5年で買い替える前提。完済後6-10年も乗り続けると(支払いなし、大きな減価償却なし)、生涯数学が劇的に改善。
- 職業依存。 一部の仕事は車が必須(営業、地方、職人)。これらの場合「車を持たない」選択肢は実際には存在しない。枠組みはまだどの車にするかは助けるが、持つかどうかは助けない。
機会費用計算機を開く → であなたの実際の月次車コストを入れて——6項目全部、ローンだけでなく。30年複利後の数字こそが、次の車購入決断と照合すべきレバー。