自分が本当に無理なく買える家の価格(銀行が承認する額との違い)
銀行があなたに42万ドルを承認したとしても、42万ドルの家を買うのが良い判断とは限らない。銀行の「承認額」とあなたの「無理なく暮らせる額」は別の計算式で成り立っており、その差は通常20〜30%だ。
28/36ルールが実際に言っていること
2つの比率がある。
- フロントエンド比率(28%): 月々の住居費(ローン返済+税金+保険)は総月収の28%以下。
- バックエンド比率(36%): 総月間負債(住居費+車のローン+学生ローン+クレジットカードの最低返済額)は総月収の36%以下。
年収10万ドル、月収8,333ドルで計算すると:
- 28% × 8,333ドル = 月2,333ドルが住居費に
- 36% × 8,333ドル = 月3,000ドルが全負債の合計に
金利6.5%、頭金20%の条件で、月2,333ドル(税金と保険を差し引いた元利返済で約1,800ドル)は、地域の固定資産税にもよるが、おおよそ34万〜42万ドルの物件価格の審査に通る水準だ。
これが銀行が承認する上限。ここからは銀行がモデル化していない部分の話だ。
銀行の計算が見落としているもの
28/36ルールは数十年前、老後は年金で誰かが面倒を見てくれた時代、医療費が安かった時代、家計の負債の大半が住宅ローンだった時代に作られた。時代に追いついていない。
同じ年収10万ドルの世帯で、2026年の現実的な支出項目を当てはめて計算してみた。
| 項目 | 月額 | 備考 |
|---|---|---|
| 総収入 | $8,333 | $100K ÷ 12 |
| 連邦税+州税(実効税率約25%) | −$2,083 | |
| 健康保険(会社の保険) | −$300 | |
| 手取り | $5,950 | |
| 銀行承認の住居費 | $2,333 | 総収入の28% |
| それ以外に残る額 | $3,617 | |
| 401(k)(総収入の15%) | $1,250 | |
| 緊急資金の積立 | $300 | |
| メンテナンス費(銀行は考慮しない) | $300 | $360Kの物件価値の1%÷12 |
| 食費・光熱費・交通費 | $1,200 | 控えめに見積もった額 |
| 小計 | $3,050 | |
| 残る額 | $567 | 子育て、旅行、生活、予期せぬ出費すべてに |
銀行が承認する住居費の上限、月2,333ドルをフルに使うと、予算外のあらゆる出費に使えるのは月567ドルしかない。車の修理1回、保育費1回、医療費の請求書1枚——それだけで貯金を取り崩すか、その月の老後資金積立をやめることになる。
これが「家貧乏」の状態だ。銀行は承認した。だが計算は承認していない。
「無理なく暮らせる」が実際にどう見えるか
同じ世帯で、住居費の上限を28%ではなく22%にすると:
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 総収入 | $8,333 |
| 税金+保険 | −$2,383 |
| 住居費22%(ローン返済+税金+保険) | −$1,833 |
| 401(k)(15%) | −$1,250 |
| 緊急資金の積立 | −$300 |
| メンテナンス費 | −$250 |
| 食費・光熱費・交通費 | −$1,200 |
| 残る緩衝額 | $1,117 |
緩衝額が月570ドルから月1,100ドルに変わる。22%と28%のわずか6ポイントの差が、月530ドル相当の余裕を生む——ほとんどのライフイベントを、予算を崩さずに吸収できる額だ。
総収入22%を上限とすると、金利6.5%、頭金20%の条件でおよそ28万〜32万ドルの物件価格になる。銀行承認額よりおよそ20〜25%低い。
銀行の数字がうまく機能する場合
28%の上限まで背伸びすることが正当化しやすい3つのシナリオ:
- 強い共働き世帯。 2人の収入源は自然な分散になる。片方の失業が即座に住宅ローンを脅かすことはない。28%の上限は収入が維持されることを前提としており、共働きはその前提をより信頼できるものにする。
- 他に負債がない。 車のローンも、学生ローンも、クレジットカードの残高もなければ、36%のバックエンド比率に住居費のための余裕が生まれる。
- 収入の伸びしろ。 キャリア初期で今は10万ドルでも、3〜5年で13万〜15万ドルへの強い上昇軌道にあるかもしれない。28%は今日はきつく感じても、3年後には妥当になる。背伸びすることは、収入の伸びに賭けることであり、代償は3年間の苦しさだ。
正直なテスト方法:ある月に予期せぬ400ドルの出費が発生したとき、401(k)拠出をスキップしたり緊急資金を取り崩したりせざるを得ないなら、上限の設定が間違っている。
買える金額を変える要因
多くの計算機が含めない3つの修正要素:
- メンテナンス積立金。 銀行は求めないが、あなたには必要だ。物件価値の年1%、ただし発生は不均等——15年目に屋根の張り替えで一気に2万ドルかかることもある。
- 固定資産税の地域差。 ハワイでは0.3%、ニュージャージーでは2.5%。同じ40万ドルの物件でも、ある州では税金が月100ドル、別の州では月830ドルになる。28%の上限はPITI(元金、利息、税金、保険)に適用されるため、税率の高い州では同じ収入でも買える物件価格が下がる。
- HOA・管理費。 該当する場合、月200〜800ドルで、住宅ローンの利息のように控除もできない。純粋な消費コストだ。HOAが月200ドル増えるごとに、買える物件価格はおよそ3万〜12万ドル下がる。
このシナリオに含まれないもの
- 単一収入+子育て。 米国の主要都市圏では、保育費は子ども1人あたり月1,500〜2,500ドルかかることがある。この場合、22%の上限は15〜18%まで下がる。そうしなければ、子どもが生まれてから12〜18ヶ月以内に家計が崩壊する。
- 高コスト都市圏の調整。 サンフランシスコ、ニューヨーク、ロサンゼルス、ボストンでは、一般的な収入層にとって家賃が総収入の35〜40%を超えることが多い。28/36の枠組みは、比較可能な家賃が総収入の25〜30%程度である市場を前提としている。高コスト都市圏では、どちらのルールを使っても絶対的な負担基準を満たすのは難しい。
- 値上がりの期待。 この記事はキャッシュフローの観点からの「買えるかどうか」に焦点を当てている。特定の市場で年4%以上の値上がりを期待できるなら、計算は「少し背伸びする」方向に傾く。積み上がる資産が大きくなるからだ。2026年時点の米国のほとんどの市場は、その前提を正当化するほどではない。
実際にやるべきこと
- 手取り収入を計算する(総収入から税金と健康保険料を差し引く)。
- 実際に積み立てたい老後資金の額を差し引く(総収入の15%が妥当な目安)。
- 基本的な生活費(食費、交通費、光熱費、緊急資金の積立)を差し引く。
- 住居費の上限を、以下のうち低い方に設定する。
- 総収入の28%(銀行の上限)
- 老後資金拠出後の手取りの35%
- どちらか低い方が、あなたの本当の住宅予算だ。
賃貸vs購入計算機を開く →で、2026年の金利水準における本当の住宅予算が、購入と賃貸でそれぞれどう見えるか比較してみよう。出てくるのは、あなたの状況に合った正直な上限価格であって、銀行が承認する上限額ではない。